こんにちは、スタッフの古川恵一です。
10連休のゴールデンウィーク、念願だっに伊藤若冲展を観るために福島県立美術館に行ってきました。
混雑を避けるため、福島駅前に車を止めて、バスで向かいました。バス停には他にも若冲展を観に行くのか数人がバス待ちをしていました。約10分で福島県立美術館に到着。3月から開催されて時間がたっているいたせいか、それほど並ばずにゆったり見ることが出来ました。それでも、若冲柄のスカーフをまいた人や、若冲の図録を脇に抱えている人など熱心なファンがたくさん見受けられました。会場には百犬図や重要文化財の蓮池図など約110点が展示されて、皆さんじっくり鑑賞されていました。
実は、若冲を知ったのは、ここ数年話題になってから。
若冲の絵をはじめて見たのは、TV番組。それから、気になりだしてインターネットや雑誌に掲載されている作品を見たり、テレビの特集番組などをチェックしていました。
今回、はじめて、生で見ることが出来で大変感動しました、日本ではじめてプルシアン・ブルーを使った若冲。輪郭線を黒ではなくて濃紺色を使うなど墨絵の世界に顔料を取り入れてフルカラーの世界感を作り出し、その後、このブルーが葛飾北斎「冨嶽三十六景 凱風快晴」などに大きな影響を与えたそうです。
プルシアン・ブルー 写真提供/Alamy(PPS通信社)
今回、はじめて生の展示会を観て気になったのが、実物は意外に鮮やかさがないこと。
これは、当時の紙と今の紙の製紙技術の違いではないかと思いました。
当時の紙は当然ながら現代の紙と比べれば繊維も粗いので、顔料の色が沈んでいて、自然な感じがしました。
図録などで見ていたものが鮮やかすぎて、実物がどこにあるのか思わず見落としてしまって、展示会場を戻って探した作品もあるほどでした。
私が始めて見た若冲の絵は、雑誌に掲載されていたものでした。これは、コート系(光沢がある)の用紙を使っているので、鶏のトサカの朱色は特に色も非常に鮮やかに表現されています。テレビは解像度4Kが標準になりつつあり、これまた鮮やかに映し出します。
濃淡、筆のタッチなどはもちろんですが、顔料と紙の関係性など、実物を目の前でじっくり観て、本物のすばらしさをあらためて感じてきました。
次回開催は、今回展示のなかった群鶏図をを中心にじっくり観てみたいたいです。