―赤べこ伝説―
1611年、会津地域で大きな地震がありました。
この地震で、柳津町にある「福満虚空蔵尊圓蔵寺(ふくまんこくぞうそんえんぞうじ)」の本堂が倒れてしまいました。
会津の人たちは、本堂を再建すべく工事をはじめましたが、お堂があるのは川をへだてた崖の上。
資材を運ぶのが大変で、なかなか工事が進みません。
そんなとき、どこからともなく大きな赤毛の牛(べこ)の大群が現れました。
赤毛の牛たちが木材を運ぶのを手伝ったおかげで、無事に本堂を建てることができ、人々は大喜びしました。
しかし、赤毛の牛たちは本堂を建て終わったころにはどこかへ消えてしまっていたそうです。
それからというもの、人々は赤毛の牛たちに感謝の気持を込め、忍耐と力強さの象徴として「赤べこ」を大切にするようになりました。
そして今では、福を呼ぶ縁起物として人々に親しまれています。
―赤べこと天然痘―
赤べこの体に描かれた黒い模様は、疱瘡(ほうそう)の痕といわれています。
かつて、天然痘は人々を苦しめ、死に至る病気でした。
特に子どもの感染率・致死率が高かったため、子供の身代わりとして赤ベコを贈り、そばに置いたそうです。
「赤い色は病魔を払う」という中国の言い伝えにより、赤べこが天然痘除けの玩具として定着しました。
そして、赤べこをそばに置いた子どもは不思議と天然痘にかからなかった、重症にならなかったといわれています。
その後、ヒトは天然痘ウイルスの撲滅に成功しました。
その天然痘のワクチンの開発に成功したきっかけになったのは、牛が感染する牛痘だったそうです。
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文・デザイン 吉井七実